3日目 雲ノ平への日(8/6)
太郎平小屋6:15 → 9:10薬師沢小屋9:40 → 12:20木道休憩所12:40 → 13:00アラスカ庭園13:10 → 14:10雲ノ平山荘

 目覚めたのは4時前。早立ちの皆さんが多いのです。4時半には次々にご出発。
朝飯は弁当にしてもらっても、朝トイレはどうするのか?
薄暗い4時ごろ、外はガス。でも、明るくなるに従って、ガスも抜けて綺麗な青空となった。
こっりゃぁー日焼けだなぁーと覚悟を決め、朝食。

朝4時の太郎平小屋

朝食


出発準備(荷物整理、服装、体調)が済んで外に出て、コーヒータイム。もう6時を過ぎて、五十嵐さんがラジカセ片手にゴミ拾い。ラジオ体操の時間になっちゃうよー。そんなわけで自前で準備体操して早々に出発。

明るくなって霧が晴れた、太郎平

雲が流れる、黒部五郎岳のカール壁

朝靄が残る黒部川の谷

薬師岳東南稜と赤牛岳


薬師沢の第一渡渉点まで追い越してゆく人無く、のんびり転ばぬよう必死に下るのです。日差しがジリジリと熱かったぁー。第一渡渉点、といっても橋が掛けられていますがね。ここは日陰で休憩に丁度良いのです。
休んでいると、中年男女の2人が通過、っと思ったら、横に来て休憩。勝手に命名:大阪人夫婦。今日は、これから温泉に入りに行くそうで、高天原まで雲ノ平経由で!そんな先の長い人が、この時間にここで休憩していて着けるのかなぁー?と思ったんです。本当は、無理だよ!!!と思いました。
これから先も同じようなペースで薬師沢を下って行くのですが、無理だよ!!!と思いながら口には出しませんでした。
第一渡渉点から第二渡渉点までの朝は、天下一の花園。朝露に濡れた色とりどりの高山植物が競って花咲かせているのです。ゆっくり、ゆっくり歩き、今ここに居る自分を堪能するんです。わき見すると木道踏みはずして痛い目にあいますから、眺めるときは、立ち止まるんです。そして、第一ベンチ到着。大阪人夫婦は休憩みたい。でも、僕たち休みません、最近ここでは。理由、休みたくないのです。でも、薬師沢の眺めは最高なんですがねー。休憩は、次の第二ベンチです。大阪人夫婦もお父さんがコンデジ写真を撮りながらですから、進むわけ無いです。第二ベンチでは、一緒に休憩。彼ら第二ベンチを先に出発し、その後暫らくは会いませんでした。

シモツケソウ

 

ハクサンフウロ

オトギリソウ

シモツケソウ

黄ばんだキヌガサソウ

ミヤマアキノキリンソウ

チングルマ(種)

第二ベンチ周辺

薬師岳

背負子&リュック 関係者ですか?

黒部五郎岳


第二ベンチから先は、樹林帯。やっぱ、歩くの早いのか?長くて歩きにくい樹林帯なんですが、今年はあっという間に抜け出て、カベッケが原に着いちゃいました。例年、疲れ果て、腹ペコ状態なのですが、全然疲れていないし、全然お腹空いてなくてカベッケが原に到着してしまいました。
ここで、太郎の弁当食べる筈だったんですが、入りそうも無いので小屋まで進むことに。
ここから小屋までは一寸緊張を強いられる山道。黒部の本流と薬師沢に挟まれた崖の上を歩くんです。でも、ゆっくり歩いて10分。
薬師沢小屋に到着した時は緊張したお陰でお腹空いた状態でした。

小屋前には大阪人夫婦がてっきり居ると思っていたのですが、もう出発した後でした。
やっぱ、早いんだ、歩くの!。この分だと高天原まで行けるのかなぁー?
太郎平小屋のお弁当、今年はメニュー変更されていました。おにぎりじゃなくて、すし飯弁当。とってもGoo−。

カベッケが原から黒部五郎岳

対岸を行く登山者、ピンボケだけど久しぶりにオオシラビソの大きな黒青い実

薬師沢小屋手前、写真の中央下写ってません

今年から変更になった太郎平小屋の弁当


薬師沢小屋でモモ缶買って、デザートした後に出発です。
つり橋と頑強梯子下りは、何度来ても超緊張です。まだ、体が固まらないだけ良いのですが。これ以上の緊張は無理かも。
川原に出て身支度して、いよいよ本日のハイライト。雲ノ平行き山旅の最大といって良いハイライト(苦難の道)が始まります。

吊橋と梯子を通過!

数年前から増水時用のルートが確保されてます

急な登り開始後直ぐに現れる、ロングぐらぐら梯子

丸太梯子は、随所

根っこ毎ひっくり返った倒木の根っこに寄りかかる倒木。この辺から漬物石道

漬物石積み上げ登山道を4WSで行く   動画はこちら


でも、今年はあっという間に終わってしまったのです。休憩は30分毎に2回だけ。いつもは最低3回。木道が見えた時は、ハァーハァー、ドッキドッキ、体中カッカッと体脂肪が燃焼しているんですが、あれっ?!おわりなの?!でした。
このいつもの感覚、特に体脂肪燃焼中感覚が無いのには驚き!相棒も同じ感想。
二人して変だなぁーと言いながら、いつもの休憩場所へ。
ギョギョッ!!人が木道に倒れてるぅー!

雲ノ平いつも最初に休む場所。たぶん、薬師沢から登ってきた登山者は、殆ど全員休むんじゃないかなぁーという場所で、今年は先客3名が休んでいました。
一人は単独女性、巨大リュック背負って、薬師沢を同時スタートして、途中で抜かれましたが、会話しませんでした。人を寄せ付けない暗ぁーい雰囲気、一生一人で生きていきますって感じ。
もう二人は、あの大阪人夫婦。
ここまでの道で、初めて乾いた場所となる木道の上に奥さん倒れてました。お父さんは、大丈夫、大丈夫。
疲れただけだからといって、私の首賭けデジガンの話をしています。心配じゃないのかなぁー?
やっぱ、コンデジじゃ男は満足しなんですよ!燕の女さんの所もお父さんデジガンデビューしちゃったらしいですし。
ぶっ倒れお母さん心配でしたが、話していると俄か夫婦登山じゃなく、中抜け夫婦登山者みたいなので安心して置き去りにして出発。
(余計な解説、中抜け登山者:夫婦二人、知り合った頃は山行きをしていて、子育てと同時に行かなくなり、
子供が独立して再び二人っきりとなった夫婦が、山行き再開した登山者)

中抜け登山者は、以前に出会ってご自分で言っていたのです。、この山域に結構多いです。足慣らしって所でしょうか。
大阪人夫婦も、昔は子供を連れて槍に登ったなんていってましたから。
 アラスカ庭園までは、もう一登り。あの岩ゴロゴロ、急傾斜木道を進みます。ここからは、黒部五郎小舎とテント場が望めるので見える時は、休むのです。今回も休憩です。

望遠撮影&拡大の黒部五郎小舎


雲ノ平山荘までは、最初に休んだ場所から、どんなにゆっくり歩いても1時間半あれば到着してしまうので、あっちこっちキョロキョロ、気の向くままに。ただし歩く早さだけ、方向は木道で規制されてますからぁー!

三俣蓮華岳

赤牛岳

奇形樹

ハイマツの実

奇形樹


意外と知られていないのが、黒部川俯瞰の地。何も標識が在る訳じゃないので知られなくて当然。でも、注意深く歩いていると気づくんです。広い川原に流れる黒部川が。

今回は立山までは靄ってだめでしたが、薬師、黒部五郎、三俣、ワリモ、水晶、赤牛がよく見え、本当に山の中!!って感じ。

中央が鉄人28号山(ワリモ岳)  右が祖父岳

コバイケイソウ

花畑

水晶岳

チングルマ

キバナシャクナゲ

山荘と残雪(10年通ってここに残雪は初)

コケモモ

ハクサンイチゲ

シナノキンバイ


さてさて、来月から建替え工事にはいる雲ノ平山荘に着いたら、やはり到着時刻は早かった。15時まで喫茶営業なので、15時前に着くとケーキセットが食べられます。ここんとこ15時に間に合わず、食べられなかったんですが、今回は、お抹茶ケーキセットです。

夕食券が真ん中、直ぐにバラバラに切り離し、翌朝まで無くしせない食券

抹茶ケーキ(三俣山荘と共通)


この小屋は、水が乏しくテント場まで行けばふんだんに使えるので、初めてですが事前に水汲みに出発する事に。顔も汗だくのタオルも洗えるんです。頭も洗いたいけど、冷たすぎて息が止まってしまうでしょう。全部雪解け水ですからぁー。
大丈夫と大阪人夫婦のお父さん言っていたけど、ちょっと気掛かりだったので、受付のお姉ちゃんに伝えて、水汲み出発です。靴紐を締め終わったときに、大阪人夫婦がご到着。一安心。でも、
高天原温泉は、やっぱり無理でしたね。(いってませんよ、はじめから無理と思っていた事なんて)
 水汲み出発して直ぐに、本当に直ぐです。雲ノ平山荘の裏か木道を伝って、木道本線に合流する前ですから、ポツント雨粒。
見上げると黒い雲に覆われかけているでは!
即断、引き返し。途中で小屋の裏で休んでいた若者数人が、慌ててテント場戻るのとすれ違った。小屋に戻ったときには、本降りに。
彼らテントに戻った時はびしょ濡れ間違いなし!!午後の山では、やっぱ雨具携帯は必須ですね。
小屋に戻ってもまだ15時3分前。紅茶を頼み込んでオーダー。後は、夕食までやること無く、のんびり。

雨降り始め

厨房

食堂のコーナー。何げなく置かれているハッセルと交換レンズ

今度は、紅茶


本日は小屋の主、二郎さんが留守みたい。
夕方戻ってきます言った受付の女の子の言葉どおり、土砂降りの中、地下足袋履いた次郎さんは、のっぽの男と二人で戻ってきた。

雲ノ平山荘の夕食も、5時5時。   近年、この山荘は空いているのです。
理由はいろいろ想像出来ますが、以前のように幅狭い布団に2名って事が無い、寝心地最高の山小屋なんです。

賛否が分かれる夕食、鍋

今年はふりかけを持参しての夕食


夕食後、120kgの50年前に人力で持ってきた発電機の撮影を背高のっぽさんが始めた。

降り始めて暫くすると、小屋の下の木道脇は川状態。
水中花となったチングルマ多数

歩荷が担ぎあげた120kg発電機(志水さんの写真は10か11月のYK紙掲載予定)


彼、顔は見覚えあるんですが、名前が記憶してない。誰かがお名前は?と聞くと、色々と能書き話しながら、照れくさそうにポロンと「シミズと申します。」彼は、志水 哲也さん。黒部の写真家・登山家。よくNHKなんかには出てくるんで、知ってました。富士山ゴミ拾い登山家よりは好感が持てる青年です。

その晩は、二郎さん珍しく語っていました、山小屋への想いを!
大阪人夫婦も熱心に次郎さん語りを聴いていました。

小屋に張り出された、二郎さん想い


 何時に寝たか覚えていませんが、TVの天気予報が終わった頃に、1枚1人布団で眠りはじめました。