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何時に起きたか記憶していません。三泊目とも成ると体も山の生活に慣れてきたような。
従って、都会的時間管理習性も薄らいでいたようです。 外は、水晶岳の山並に遮られ太陽は望めませんが、晴天です。空は、濃い青色で染まっていました。都合よく1回目の食事呼び出し時、相棒と二人で食堂の前に居たので、朝食は一回目で済ませました。昨日の、薄ら寒い小雨の中で飲んだ、冷たくないお茶が忘れらせず、また、買ってしまいました。 食事後、出発の為の荷造り中に、Mが出発の挨拶に。今日は、水晶いって、鷲羽越えての双六テントの予定とか。双六テン場で会う事を約束する。
小屋の前で、埼玉の四人組と別れを惜しみ、彼らは大東新道、薬師沢へ出発。
晴れている為か、奥地の為か、皆さん出発が早い。
我々も、何時に無く早く準備完了。出発は、6:10。小屋の人は、さっきまで出発する人を見送って居たのだが、我々の時は食事中? やっぱ、遅かったか。
日の当らない、高天原を右に見ながら、小川を渡り少し行く。すると向うから女性2名。もう、高天原に到着?何処から来たのか聞いてみると、道を間違えたとの事。彼女達は、岩苔乘越へ向かうのだが、分岐が見つからず戻って来たそうである。自分達は、彼女達と同じ岩苔乘越へ向かうのに、彼女達とは反対に、このまま直進して良いのか?彼女達は足早に戻って行く。慌てて付いて行く事に。「あった!あった!」分岐の看板。分岐でグタグタ我々が話している間に、彼女達は見えなくなった。勝手に命名:命の恩人様。  分岐出発6:30。
初めは、緩やかな登りで、半袖では寒かった。ガマン。でも、暗い樹林帯の急登りが初まっても寒かった。ガマン。本当に、暗く、急な登り。樹林帯の中で、一人の青年に抜かれる。彼、昨日竜晶池手前で道を聞いてきた人、今朝、小屋からの眺めをS社のDVCで撮りながら解説を録音していた人。一人でテント泊、今日は双六まで行くそうだ。 喘ぎながら登っていると、上のほうから「ここからの眺め良いですよ〜」と、さっきの彼が声を掛けてきた。確かに、今まで樹木で眺めが良くなかったが、そこに着いてみると、薬師岳の大きな山容が独り占め。彼は、さっさと先に登って行く。
水晶池への入口で、彼のリュック発見。我々も行ってみたかったが、今日は長丁場。二人は暗黙のうちに水晶池パス。登りつづける。途中、暑くなって相棒が上着を脱いでいる時に追い抜かれ、以後、会っていないが、彼はHPを作っているみたい。帰京後のインターネット検索で同じ様な顔立ちの人発見、そして、夏山スケジュールの高天原がピッタシ合致。無事、槍まで行かれたようです。
 槍まで行ったdさんに追い抜かれて直ぐに、男二人組が下ってくる。水晶池に行くつもりが、分岐を見過ごしたとか。そろそろ、森林限界に近づく頃、水晶岳からの狭いゴロゴロ岩沢を渡っている時、軽装の若者数名が沢の下の方から攀じ登ってくる。一瞬、ここを降るのかと驚いた。彼らも道迷い。温泉目指し、間違えて沢を降りきったそうだ。「下まで行っちゃいましたよ」と言う顔は、明るく汗だく状態。この日は、道迷いが三件目。チョッと多い。
  いよいよ、草原。晴れているので日差しが強く、暑い!でも、フウロが沢山咲いていて、道の傾斜は、きついが気持ちよい登り。雪渓の近くまで来る10:10と、先を行く人が頭上近くに見える程の急傾斜。誰もがゆっくりしか歩を踏めない。以前おばさんに言われた事(あんたら、座っていたら着かないよ。ゆっくり進むんだよ。)を思い出して、座らず歩き続けた。結果、あまり苦しめられず一年ぶりの岩苔乘越到着。11:10
 全て晴れ。雨降らし雲は見当たらず、全て晴れ。立川親子が居る。岡山のおばさん4人も居る。
ワリモへの斜面では、強い太陽光に照らされたカラフルなリュックがツズラ折の登山道を右に左にゆっくりと移動する。この光景が、好きだ。
この時間だと、双六まで行けそう!ここで、大休止。弁当を食べた、三俣山荘14出発を目標に岩苔乘越を出発。11:25
黒部源流を降る。写真を撮りながら下り、あっという間に徒渉点に着く。12:30。15分間休む。途中、鷲羽、ワリモの稜線を行交う人が良く見えたが、雲ノ平から徒渉点の間を行交う人が居ないのに気付く。なぜ?
徒渉点は、昨年までよりチョッと上流に移動し、雲側に数段の木製梯子が二個。
源流の碑で、五郎のカールの中を雲が流れて行くのを眺めながら一休み。
三俣山荘へ14時前に到着しそうなのが確実に。後は、これからの頑張り次第で三俣山荘での喫茶室での休憩時間が決まる。
しかし、双六小屋到着は18時前後になりそうなので、三俣で電話する事にする。

三俣山荘到着。13:25
この頃には、青空が少なくなり、雲が出始める。雲底3000m弱ってところか。
双六へは、衛星電話。時差の間隔が上手くつかめず。でも、快く到着が遅れることを了解していただき、安心して、喫茶室へ。抹茶ケーキとコーヒーで腹ごしらえして、前庭へ。そこで、いっぷく。今年は、天気が悪くタバコを吸っていられない為か、消費が少ない。4日目にしてまだ2箱目。14:00出発。
後ろから、僕を呼ぶ力ない声。振り向くと、Mであった。とっくに双六へ向け歩いていると思っていたので意外であった。Mは、鷲羽から降りて来たところだ。「一緒に一休み」っと云いたいところだが、残りの道のり(4時間)を考えると言い出せず、チョッと悪い気がしたが、我々は出発。
 雲はどんどん多くなり、三俣峠(三年前から突如立った標識に記載された名)到着の15:00には、殆ど青空は無くなった。小休止。15:05出発。重いリュックの片方に腕を掛けて背負いかけた時に、「逃げないで下さいよ。」っとMが現れる。Mをおいて先に出発。だって、我々1時間かかった、ここの登りを30分だって。今夜の宿まで先が長いのです。無理して事故起こして迷惑掛けては。
しかし、三俣蓮華と丸山のカールの写真を撮っている時に追いつかれ、抜かれてしまった。
遠くから見る、Mの足取りは、軽快とは行かず、かなりお疲れの様であった。

今年は、雪が多く三俣-双六間の巻き道にも、一箇所残っていた。
どっこいしょ登り始め、16:15。     どっこいしょ登り終わり、16:24。
数年前にはじめて通過した、どっこいしょ登りは長く感じたが、実際は短いのです。でも、何時もこの終わりで天気が更に悪化するのです。今年は、ドシャ降りは無かったのですが、ガスが濃くなりました。   双六岳登頂路分岐通過。17:10。
後は、小屋まで一気に下る。二人で「コマタ、コマタ」を連呼て、疲れで不確かになっている足元に注意を払っての下りです。
最後の山小屋、双六小屋に到着。17:30。
 前庭で、Mが座って手を振っている。夕飯でも一緒にとふと思う。しかし、Mはオーダー済み。
急いで、チェックイン。さっき電話した事が伝わっていた。嬉しい。
今夜も、布団1枚に一人。
夕食は、二回目が始まっているので、準備が出来次第、食べるように云われ、もっと遅い三回目でお願いしたが、今日は二回で終了との事。
前庭に居るMに事情を話し、別れる。
 食堂では、立川親子の子供が我々を見つける。お父さんは未だ食べている。子供は元気だ!
相棒は、慣れた山小屋の為か積極的にワイン&グラス調達。
明日の無事下山を祈念し、ワインで乾杯。となりの二人も、我々のワインを見て、売店へ。グラスを借りてくるのを忘れて、湯飲みに。売店に言って借りてくる事を教えてあげる。

雨も降っていなかったのに乾燥室営業中。外着のズボンとシャツを入れさせてもらう。
食事後、テント場でMを探すが見つからず、寝る。
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