雲ノ平(黒部川源流域) 本文へジャンプ
第四日目 鷲羽岳登頂


2007年08月05日(日)
第四日目 鷲羽岳登頂
夜は、ぐっすり。雨が屋根を激しく打ち鳴らしていたらしい。
僕、全く知りません。だって、耳栓していたから。
朝、目覚めると小雨、濃いガスに覆われ薄暗かった。そんな中を、幡ヶ谷のお姉さん、朝食抜きでご出発。お気をつけてね。自己責任で頑張ってぇーダ。

朝飯、早立ちの人がいるので余裕の1回目。14人関西団体がご出発、皆さん次々にご出席。
二階には、ライダー組と僕らだけ。お先にー!ライダー組を残し、雨具を着ての出発。
小雨の雲ノ平
コバイケイソウ

先ずは、テント場で水を補給する事に。ガスが濃い、足元は見えるが数メートル先は鉛色の雲の平をゆく。
テント場に着く頃、辺りが明るくなる。水を補給し出発の時、日差しが、早く流れて行く雲ガスの合間から青空が見え隠れ。
晴れると暑いんですよね。再びリュックを下ろし、雨具を脱いで出発。

ここから祖父岳直登、20分ぐらいで日本庭園への巻き道になる。巻き道に出る所で、やって来た道を横切るローブと小さい標識を発見。
「立入禁止」だって。2-3年前から、この一帯、植生保護と称して道の工事中だったっけ。標識とっても見ずらいです、入口にもあったはず、気付きませんでした。

黄色いペンキで頂上と日本庭園の分岐矢印を書かれてしまっている大きな岩で一休み。虫が多過ぎだ。今回、虫よけスプレー持ってないんです。
祖父岳の登りは、大きな雪渓渡りで始まった。

赤ペンキに導かれるロングな雪渓渡りにハラハラドキドキ。草木が全く無く、程よい大きさの岩石道が頂上まで続く。
ここの岩石、表面がいろいろ。硯風、赤レンガ風、軽石風。混ざっているのでは無く、境目を明確にしてまとまってあるんです。
最後、頂上は、赤みをかかった軽石風大きめ砂利なんです。まるで、火山噴出物庭園だ。
雪渓を渡り終えて30分も歩かないでケルン乱立の広い頂上に着く。でも、結構きつい登り。
祖父岳 頂上広場
(多分、北の俣方向)

下を見るとライダー組の二人が登り始めていた。
荷物を置いて、ほぼ雲上の所となった祖父岳頂上を堪能。と云っても周囲の山は雲の中。
でも、流れる雲は少しずつ薄くなり、だんだん周囲が眺められる様に。
真上は青空、ガスる事無く、周囲の山の稜線には雲。飽きない。右に左に頂上広場を移動、縁からの眺めを堪能。
すると意外な所からライダー組が現れる。周囲の山を隠すガスが、僕の方向感覚を狂わせていたんです。

ライダー組が現れた時
水晶岳(やっとガスが取れた)
三俣蓮華岳方面
こっち方面もガス

暫く、彼らと共に祖父岳頂上を占有。彼らと雑談していて、水場からの直登するショートカットで来た事がばれてしまいました。
いくら居ても飽きない。でも、先着していたので、先発しなくては。
「お先にー!」「僕たち、もう少し居ます」(ライダー組)と挨拶して出発。約30分の大休止であった。

祖父岳から岩苔乗越までの稜線は、なぜだか、気分がとっても良くなる稜線歩き。
空気の薄さ、花の多さ、好天気の相乗効果ですかねぇー。この稜線歩きも、嫌いな場所が2か所あるんです。
ひとつ目は、頂上を歩きだして数分でやってくる急降下。
数年前に設置された木製梯子数段とイエローロープに助けられて無事通過。
難所1の上からの眺め
右上が崖
難所1の通過後の眺め
左が崖

もう一つは、岩苔乗越到着直前のドジすると落っこちそうな数mの岩乗り越え。今年は、ショートカット出来たのです。
少し手前から雪渓が残っていて、その上を行く事で回避。雪の上から僕にとっての難所を行く逆行きの人を観察する事まで出来ました。

岩苔乗越のライダー組と難所2

岩苔乗越へは、ほぼライダー組と同時到着。彼らも雪渓ショートカットコースを来ていました。ライダー組に言われちゃいました「ショートカット好きですね」 だって、「あそこ(本来のルート)、通過するの難儀なんですよ」

今回は、風もなく天気もまずまずなので鷲羽岳経由で行く事していた、そこで、乗越では休まず、そのまま登りワリモ北分岐へ。
ライダー組は、初到来らしく乗越で地図を広げていたのですが、ワリモ北分岐へはまた同時到着。巨大リュック背負って頑張っています。
やっぱり、テント自炊の彼らの体力は僕たちより優っている見たい。(昨夜の話で、年齢はほぼ同じ)

ここで、斜面に座って、お昼です。雲ノ平山荘の弁当を完食。ライダー組の二人は、持参のパン。食べていると、目の前の道を鷲羽岳→水晶岳へ向う幡ヶ谷のお姉さん通過。
彼女、岩苔乗越から、黒部川を下り三俣山荘へ登って、鷲羽岳を通過してほぼ1周してやって来たのです。これから、水晶往復して烏帽子まで行くのが昨夜のお話でした。大丈夫かと問われたが、信じられなかったので、「自己責任で!」と答えておいたんです。
今日は、予定を変更して、水晶をピストンしてから野口五郎岳までしたそうです。この人も僕たちより、はるかに体力が勝っている。
ライダー組と一緒に「ワァーイ、頑張れぇー!」、「自己責任で!」と言って見送った。
通過して行く幡ヶ谷のお姉さん
さぁー腹ごしらえも完了。ライダー組ともここでお別れ。「お世話様。また何処かで!」彼らは、幡ヶ谷のお姉さんと同じ方向。

ワリモ岳は、「ワリモ岳頂上」という標識のある巻道で頂上直下を通過し、鷲羽岳との鞍部へ下り始める。
高瀬川側、野口五郎岳方面
黒部川側、源流域方面
ワリモ岳 頂上標識
難所通過直前
下り始めに、僕の難所があるんです。数メートル逆層岩の乗り越えが、僕の難所。(写真なんか撮っている余裕はありません。)
他の人は、難なく通過するみたい。でも、僕は怖いです。前回の通過時は、この数mのおっかない所で対向者。すれ違うのに難儀しましたが、今回は、対向者なく無事通過。次回は、現場写真撮れるかなぁー。
難所通過直後
難所を過ぎると、どんどん下ります。そして、鷲羽岳への登りが始まるんです。
鞍部から雲ノ平方面
もう、2800mを超えているので空気が薄く急な登りは、ゆっくり一歩ずつ。スローモーションみたいな歩きで、皆さん止まる事無く歩きつずけて、鷲羽岳頂上に着くのです。

折角やって来たのに、鷲羽岳の周り360度に銀幕が降りていて、眺望は全くない。隣の祖父岳も見えず!!頂上自身が雲の中。
銀幕おりた鷲羽岳 頂上標識
ここでも、「あれっ!太郎に居た人でしょ!」と記憶にない人に言われてしまった。
静かだった頂上に、いきなり大きな声が!あの、おじさん兄弟と奥さん?パーティーの到着だった。
どうやら、今朝雲ノ平山荘を出て、水晶岳をピストンしての鷲羽岳到着のご様子。
三俣山荘への出発時刻が彼らと重なりそうだったので、僕たちもっと休む事にしました。静かな山歩き好きなんです。

すこし、下ると雲から抜けて眺めが良くなった。鷲羽池もちゃぁんと見えました。
鷲羽池
一気に400mの下りは、歩くに従って気温が上がってゆくのがはっきり自覚するんです。
暑い、暑い。暑さが、限界に近づく頃、三俣山荘に到着です。

おじさん兄弟と奥さん?パーティーのおお声おじさんが、小屋の前庭に座り込んでいた。
僕たちの到着に、手をあげて「いょー!、足痛くなっちゃたよー」「頑張ってくださいな」で早々に小屋の食堂へ。
ちょっと対応が冷たかったと思うんですが、もう、時間が押していたんで、話相手していられませんでした。ごめんなさい。
三俣山荘到着

腹減ったぁー。
でも、あんまり、ここで食べると出発してから苦しむのです。今回は「焼きそば&コーヒー」。焼きそばのキャベツが、美味かったぁー。
40分の休憩後、三俣蓮華に向けて出発。食べた直後なので、ゆっくり、ゆっくり1時間登ります。

三俣峠、数年前に突如立てらてた標識に書かれた場所まで、今年は50分で到着。ここが稜線と巻道の分岐 で今回は巻道へ。大分疲れた感あり、双六小屋まであと2時間半、歩かなくては。

途中、腹減って1回休憩。
すっかりガスが無くなった鷲羽岳
急傾斜の雪渓わたり、開始
小屋直前の急降下直前の休憩と2回の休憩で双六小屋へ。やっぱ到着したのは、16時少し前。

到着が遅かったのと、あの人の部屋割だったので、今年の寝場所は、散々でした。
二段ベットの部屋、「上と下に一人ずつ入ってくれ!もう、各段には2人入っているから。間に入れてもらってな」だって。
布団は大きめなのでスペースとしては余裕なんですが、相手への連絡していないんです。
割り込まれるお年寄り二人パーティーは超不満げ。その間を割って一人ずつ。

割り込まれる人達への連絡ぐらいは、やれよ!! 双六小屋!"番頭気分の4-5年前から居るオヤジ"
あのオヤジ、去年は「部屋割されていない男はこっちだ」と言って、玄関にいる男性をまとめて別館へ
(その日は、誰がどこに泊まっているか双六小屋は把握不可)と部屋割るすおやじ。

1年たっても、成長してないね。60過ぎると無理かぁー。


夕食は、3回目の7時。でも、三回目の人は極僅か。
食事が始まって、斜め前の女性から視線を感じ、顔を上げると、話したそうな顔をてこっちを見ている。女性2人組。親子?みたいだが年が近そう!
何やら、途中で僕たちを追い越したらしい。その時、僕たちは写真を撮っていたとか。全く記憶がありません。だって、追い抜かれるのは、いつもの事ですもん。 追い抜いた人達は記憶する事あっても、追い抜かれる人は多すぎてぇー。ワインがまわって来て、どんな会話をしたか覚えていませんが、いつもの山小屋夕食タイムより長かった。 もう、酔っぱらっていたのです。あとは、いつもの事。耳栓して眠っちゃいました。
雲ノ平山荘朝食 分岐(スイス庭園とテント場) テント場の水場タンク 水場からの祖父岳 ペンキ印付き分岐岩

以下、3枚は祖父岳噴出岩見本 これが登り30分間で現れるです 赤い軽岩と地面 高密度ブチブチ岩 ザラザラ小軽岩


スイス庭園の先に高天原山荘 鷲羽岳(左は、鉄人28号) 鉄人28号に見えませんか?
ワリモ岳

祖父岳を出発して
槍ヶ岳わかります?

気分、晴れ晴れ稜線歩き
キバナシャクナゲ(蕾) ワリモ北分岐のデポ中リュック達 雲ノ平山荘の弁当 水晶小屋方向の眺め

ワリモ北分岐から頂上直下まで、花が多いんです     


鞍部からワリモ岳を振り返る 
ここを、登ってゆくのです、鷲羽岳

以下2枚は鷲羽岳頂上から 
銀幕の間から、硫黄尾根 下山開始(源流徒渉地点俯瞰)


三俣山荘まで、いっき降り
いっき降りに、降りちゃった。



焼きそば休憩後の鷲羽岳。頂、晴れいる! 三俣峠ですれ違った単独行きおじさん
 
コバイケイソウ
ハクサンイチゲ
  



結構、怖いです。アイゼンなしじゃ
怖いけど、急傾斜をパチリ 今年から、灰皿移動(分煙になるの?)
    夕食