雲ノ平(黒部川源流域) 本文へジャンプ
第三日目 雲ノ平へ


2007年08月27日(月)
第三日目 雲ノ平へ
いよいよ、雲への日の朝は、4時ごろ目覚めた。

風も雨も止んで静かな朝だが、薄暗く濃いガスに覆われていた。そんな中を早立ちの人達は次々と出発して行く。 台風は、どうなったんだろう?
夜のうちに能登半島沖を北上し秋田沖にいるみたい。でも、前線があり今日一日は台風一過の様にはゆかないらしい。 5時からの朝食を頂き、出発の準備をする。食後の一服中に五十嵐さんに声をかけられた「どっちに行くか決まった?」 「雲なんですけど、混みますかねぇー?」「団体が20人キャンセル、今朝連絡していたよ」「やったぁー!絶対、雲です」

    
 濃いガスの中、6時に出発。出発して太郎平山への道を右に分岐して直ぐ、右側の斜面がザワザワ、バサバサ。親雷鳥が少し上から飛び降りてきた。着地点の周りを良く見ると、ヒナが3羽。ガスっている時って出てくるんですよね。しばらくムービー撮影。
    
雷鳥の鳴き声を撮りたかったんですが、ダメでした。上手くゆかないもんですね。その後は、誰とも出会う事無く、抜かれる事もなく、一気に(休み無しで)最初の渡渉地点へ。ここで、休憩。歩くのを止めると寒いです。雨は降っていないのですが、雨具を着たままです。第一ベンチは通過。第二ベンチで暑くなったので雨具を脱ぎ、休憩。何時もはお腹が空いて弁当を食べるカベッケが原に着いたのですが、お腹が空いていません。あんまり疲れていないので、そのまま薬師沢小屋へ向けて歩き続けてしまいました。カベッケが原→小屋の道は、ちょっと緊張する痩せ尾根通過しなければなりません。休憩なしででの通過、とっても嫌でした。結果、なんでもない処でドシンとスリップ尻もち。痛かったぁー。しばらく声が出ずです。帰郷しても打身痛は続くほどの衝撃で尻もち。
その他は、何事もなく薬師小屋へ到着。小屋の前のテラスでは、途中抜かれたご夫婦が出発するところ。
お気をつけてぇー!
ちょっと、ご夫婦の吊橋渡りの様子を!(大雨ルートです)
        
一人ずつ、対向者ありです。 渡った先は狭い大岩の上。三人で一杯の広さ。記念写真も撮りたくなります。
        
大岩から頑丈な鉄梯子下り、 水量少ない時はここから河原へ
水量多い時は、以前は完全STOP。しかし、丸太の梯子で再度大岩を乗り越えるルートが新設。ここを、新設ルートを二人は通過。

やっと、黒部川河原へ

ここで、太郎小屋の弁当と薬師小屋でGetした桃缶を食べ、この先の超ロング急坂登山道に備えます。休憩中に、雲ノ平から単独の男性1人と太郎から2人組男性パーティー(勝手に命名:ライダー組)が到着。どちらも昨夜はテント。台風通過の昨夜は、凄かったみたい。水浸しで荷物が重いんですって。
          
        左:黒部川、右奥:薬師沢、右下:下流

 さぁー、超ロング馬鹿みたいな急坂登山道に向け出発です。今年は、途中で雨が降り出し雨具を着て、馬鹿みたいな急で長い登り道をひたすらよじ登り切りました。辛いのですが、登っている時の暗い樹林帯の中にある苔、倒木、そして2-3年の幼木が美しく感じられる様になってしまいました。ここは、辛いのですが、3時間歩き続けるとGoal。達成感を存分に味わえる、気に入った区間になって来たような長い急坂登山道です。ここを通過するのは、今回でたぶん9回目?登りだけですが、降りに怪我泣く使う自信ないです。
         

         
    急登り終了間際、行く先に空が見てます。抜き去ってカップル

 今回、この急坂で2組に抜かれちゃいました。薬師沢小屋にいたライダー組。それと、突然現れ、抜き去っていった若いカップル(これも、テント。巨大リュック背負ってた)。みなさん、馬力あるんですね。急登り道、殆どが漬物石沢歩きなんですが、最後は左にそれて巻き道になるんです。しかし、若いカップルは、そのまま漬物石沢を突き進んで行き、途中で合流してきました。(大差ない近道の様)直ぐに、木動が現れる!

意外。早すぎる!もっと続いている筈なのに、もう終わってしまった。(カベッケが原でもお腹がすかず、ここでも、疲れてはいるが余力ありです。なんか今年の体調が良い方に変です。)

さて、巻き道が終わると木道です。少し行った所に無名の広場があり、ここを休憩場所にいつも決めているんです。薬師沢小屋を出発以来、まともに座ることが出来る初めてのスペース。今年も、ここで食糧補給。その間、誰ぇーも通過せず。降りてゆく人も、登ってくる人も無く、濃いガスに囲まれた広場で休憩。さっき抜いていった2パーティーは、休まず行ってしまった様です。タフだ!無名広場から先、少しの間再びワインディングロードですが、よじ登りと言うわけではありません。だらだらと高度を稼いで行くと木道が始まり、スリップ注意で進むと、アラスカ庭園。ここに、ライダー2人組が休んでいました。
彼らも、雨が降っていないのでカメラを出しての出発。お互い干渉しない程度の距離を空けての、かなり意識しての行進がつづいた。先に歩いて、写真を撮っていると追いつかれてしまい、言葉交わして、先に出発。すると追いついた方が暫く写真撮影。黒部川俯瞰台(雲ノ平の歩道が一番北に来たところ)では、言葉交わしていると、久々に後ろから新人がやって来た。単独女性(勝手に命名:幡ヶ谷のお姉さん<年上ですが>)。みんな今夜は雲ノ平泊まり。ライダー組はテントか?(疲れているのに、濃いガスの中設営大変そう)

無名広場から雲ノ平山荘まではいつもは1時間。今年は、ちんたら歩きとライダー組とのカラミ歩きのせいか1時間半かかってしまった。雨具着ていて丁度良い気温。寒いのです。
 ここでも時間切れ。太郎で10分オーバーの為、ラーメン食べられず。ここでは、10分オーバーで喫茶コーナー終了の為、ケーキセット食べられず。まったく、心残りでした。

 雲ノ平山荘は、予想以上の空き。従業員の女の子は、「35人もキャンセルなんです」とがっかりした様子。でも、嬉しいさ一杯の気持ちなのでリアクションに苦労。きっと食事の支度がおじゃんにでもなってがっかりなのかなぁー。
到着が遅かったので、割り当ては2階でしたが、二階は本当にガラガラ。14名の関西パーティーと僕らだけ。一人1枚の布団で、半分以上の布団が未使用状態。(早くに到着した人たちは、一階の蚕だなで、結構人口密度高かったみたい)ライダー組みも結局、軟弱者だったんだ。小屋泊まりに決めて、僕らの横へ。小屋へは、殆ど最後の到着。後に、テント組みが2人到着しただけ。
         
結局、その晩はの2階宿泊者数は、14+2+2+2=20。あっ、幡ヶ谷のお姉さんが抜けてた。計21名だ。幡ヶ谷のお姉さん、2階の隅の方で布団かぶって一人寝ていたので気付きませんでした。彼女、ほとんど布団かぶって寝ているのですが、時々起き上がっては雑談に参加してくるのです。僕たちが東京からやってきた事を云っていないのに、ローカル地名がどんどん出てくるんですす。渋谷区の幡ヶ谷に住んでいて、毎日、代々木公園まで歩き、帰りは中野駅まわりで幡ヶ谷に戻ってくるとか、夕べは、毎日新聞社前からの深夜バスでやって来て、今朝、折立てを出発し、太郎を通過して、ここに居るとか。(スゲッ!前泊なしで、太郎小屋泊まりなしでぇー!)
怪人かぁー?明日は、源流を一周して、野口五郎まで行き、次の日、船窪経由で針の木の予定だって。大丈夫かしらと聞かれてもぅー!答えられません。凄すぎな体力。想像できません。彼女曰く「だから、誰も一緒に歩いてくれないの」だって。

狭い小屋の中には、昨日から今日にかけて出会った人々がいて、「あれ!太郎にいましたよね」なんて記憶にない人からも声をかけられてしまった。(ぼけたのか?)
薬師沢小屋で先に出発した御夫婦もいて、屋外にある喫煙場仲間となってしまった。御夫婦は、松戸から車でやって来ていて、今日を入れてあと4泊して帰宅予定とか。いいなぁー、でも、小屋5泊はねぇー、疲れちゃいますよ。
位置エネルギーを大切にするリーダーのもと行動している三人もいました。あの、漬物石登りは下りにしなくて良かったぁーと云われちゃいました。

客は少ないが食堂も狭く、夕食は2回目。好みでない鍋夕食。ワインで流し込んで寝ちゃいました。

朝食

次々に出発する人々

明るいガスの中、出発


薬師沢の下りで、"クロベー"


薬師沢小屋到着。小屋の裏からです



今年は、急登りの現場写真をふんだんに!!4輪操舵ならぬ四つん這いで、登り続ける急坂の様子です。













この標識を見つけると、急登り終わり


傾斜が緩くなったら、泥濘道








下の2枚は、当HP初登場の雲ノ平山荘の、夕食。
鍋です「石狩鍋」と説明したのは次郎さん。彼の代になって開始された夕食