入山3日目 8月10日(水)

やはり新品耳栓のお陰で、朝までグッスリ。目が覚めて、屋根が騒がしいのに気付く。そう、大粒の雨です。
昨日の夕焼けは、何だったんだ!! チェッー! 雨かよぅー。
皆の話では、昨夜は、かなり強く降っていたみたい。テントと小屋に分かれたパーテーのテント組は、撤収して4時半には小屋の玄関に。2時過ぎから眠れなかったとか。 朝食は、5時。普通の(鍋でない)山小屋朝食を頂きました。皆さん、次々にご出発。
薬師沢へ、あの急傾斜を下る人たち、無地に降りられたかなぁー?数日前に、あそこで頭ぶつけて陥没状態で、薬師沢まで降りてヘリ救助された人がいたとか。あそこ、下っている最中は、密林なのでヘリ近づけないですよ。

朝食 団体さんは、薬師沢へ出発
さて、他人の事はおいといて、自分達の本日の目的地を決めなくては。予定(天気良ければ)では、高天原か水晶経由の三俣。数日間天気が悪い事を知り、別案をひねり出さねば。
雲に停滞。三俣まで移動。双六まで移動しておいて双六連泊。とりあえず、雷鳴っていないので、行動は出来そう。そこで、双六連泊に決定!天候悪化したら三俣だ!
玄関奥の、去年から出来た談話コーナーでは、早くもここに連泊を決めた男性が2人。読書中。
小屋の人に、喫茶は何時始めるかを聞くが、「さだかではありません。」だってさ。
ケーキセットは諦めて、出発。

いつかの様に小屋前の窪地は川になっていない。雨も小降りって云う事。先ずは、テント場に向かう。小屋を出発して直ぐに、グーグーという音を認識。気をつけて辺りを見回すと、直ぐ横に雷鳥親子。親子が、ハイマツのかなたに行ってしまうのを見届けて、歩き出す。今度は、雷岩の少し手前、さっきと同じ様な音程で、ゴロ、ゴロゴロ。??!雨具のフードが音をよく聞こえなくしているんです。ひょっとして雷さんですか?と思った瞬間。地鳴りと共に、ドッカァー〜〜ン!レロ,ラロ,レロ...。どうしよう?立ち止まって、2人で顔を見合わせる。戻るか進むか。戻れば、30分以内で小屋に着く。30分は長い。ちょうど後ろから男性1人が追いついてきた。彼も強ばった顔。雨で、源流渡渉点が渡れないといけないので祖父岳に登り、岩苔から三俣向かうつもりだとか。迷っているが、戻る気配は無い。彼は、そのまま行ってしまった。その後、ゴロ、ゴロは聞こえるが、ドッカァー〜〜ン!が無い。ゴロゴロも、何か遠ざかっているように聞こえたので、我々も進む事に。
この辺で、ピカ・ドン・ゴロリ

雨降る水場で、小休止。一気に祖父岳の巻き道分岐まで登る。この道、2年ぶりの通過。結構きつかった。でも、寒いくらいの陽気なのが幸いして、巻き道分岐までヘタる事無く到着。祖父岳から降りて来た単独の男性。チョット興奮気味。頂上で、ピカァー、ドカァーンで度肝を抜かれたみたい。今朝、水晶小屋を出発して、もうここに居るんだ。早い!
昨年出来た祖父中腹から
奥スイス庭園の道は、通行止め
祖父岳頂上で雷に会った人 岩苔が雨に濡れて美しい

途中で、出会った人の事を聞く。女性が多い団体だけで、単独ブルーの雨具男性には会っていない様だ。さっきの彼は、ドカァーンで巻き道を行ったみたい。稜線を行くつもりだった相棒には悪いが、俺達、巻き道決定。水晶から来た単独の人、有難う!あなたの形相が、相棒を納得させてくれました。理屈では理解した相棒も、巻き道を歩き出すと、剥れ顔。足元以外なにも見えない道は、緩やかに下っていた。雪渓が消えた跡地に花が咲き、何処を通れば良いの?花さん御免なさい、踏んじゃいます。二番目の雪渓の脇で大休止。とっても寒かったです。出発時に、下から登って来たおばさんが、「チチブは、何処ですか?」と聞いてきた。???霧で全く見えないが、祖父岳の頂を指して、「ソフと書いてジイという祖父岳ならここですよ。」と教えてあげた。おばさん。きっと、昨日は秩父沢を辛い思いをして登ってきたんですね。そして、源流からの登りの辛さが、それを思い出させていたんでしょうか。酸欠状態頭低速運転中ってとこですか。でも、こんな事、その日は、また後であったんです。
巻き道の先にある、
初めの雪田
これ道なんです。
何処を歩きましょう?
奥の白いのは、
二番目の雪田

ここからは、渡渉地点に向け急下降道。意外と大きめな石がゴロゴロ。相変わらず何も見えない。だから、急下降道を下る恐怖は感じられないで、渡渉地点に到達。昨年、100mほど上流に移動した渡渉点だが、今年はそこが崩落し、元の場所に。
雪田の横で休憩中。
さむぅ〜いです。
源流への下り途中 今年の渡渉地点

靴を濡す事無く、川を渡り、源流標識の前でお昼ご飯。腹減っていたんです。雨降っていましたが、お弁当と雲ノ平山荘で買ったお茶(今年から前の晩に注文。夜のうちに入れているみたいで、暖かくない)を飲んで、出発。酸欠状態頭低速運転中の人、また現る。今度は、「薬師沢は、こっちですか?」いきなり聞かれてもぅー...!「黒部源流の渡渉点ならこの下ですよ」と言っておいた。おじさん。多分、雲の平を通って薬師沢へ行くんですね。皆さん、悪天の為、必死になって歩いているんだなぁー。ここから、三俣山荘までも源頭部のお花畑が続くが、雨降っていたのでカメラはリュックへ。

さすが雨降り、三俣山荘の前には誰も居ない。勝手しったる他人の山小屋。小屋玄関ではなく、迷わず外付け階段を登り食堂へ。珍しく相棒、食欲旺盛。ラーメンをご所望。冷えたからだが、温ったまるぅー!続いて、コーヒーセット注文。ブー!?ケーキが悪天でヘリ飛ばず品切れ!!仕方ないから、コーヒー。同じテーブルに居た、カップルがご出発して行く。体が欲しがるだけ休憩して、僕らも出発。
晴れていると人で溢れている
三俣山荘
山荘建設60年ですって さぁー、出発。
誰ぇーも居ない広場
食べ過ぎじゃない?ゆっくり行こう!約1時間歩いていれば、三俣蓮華岳への登頂ルート分岐地点(最近、三俣峠と呼ぶらしい)に着くんだから。昨年から、ルートが変更され大きく高瀬川寄りを登る。三俣峠直前で降っていた雨が止み濃霧。先発のカップルに追いつてしまった。彼ら、コバイケイソウを撮っている。追い抜いてから、僕達もリュックからカメラを出す事に。霧に包まれた色鮮やかな高山植物、撮らない訳ないですよね。ここからは、コースタイム無視。気に入った花を見つけて、シャター押しが続く。彼らも、僕らと同じスピードでシャター押しまくり。その後、雨粒は落ちてこなかった。
ヨツバシオガマ ツガザクラ 三俣峠
コバイケイソウ アオノツガザクラ 種 IMG_1130.jpg
雨が上がって、見晴らしが! ゆっくりと、双六小屋を目指す 雨上がっているが
寒いんで、雨具着てるんです
IMG_1154.jpg IMG_1164.jpg IMG_1172.jpg
IMG_1173.jpg コイワカガミ ハクサンイチゲ
アオノツガザクラ IMG_1203.jpg アオノツガザクラ 種 
左端に花一個
ハイマチツ もう直ぐ、双六小屋 この日の割り当ての寝床

巻き道を行くのは、飽きてしまうのが常なのだが、今年は飽きなかった。それだけ花々が、咲き誇っていたっていう事。それに、僕らのチンタラ歩きの上を行くチンタラ歩きのカップルが居たで、小屋への遅い到着の心配が無くなっていた。小屋への急下降の手前で、転ばぬよう小休止。小屋到着は、**時。

双六小屋の夕食は、早い。16時半、1回目。僕達2回目だから5時半ごろ。2回目の食事は、人数が思いのほか少なく、2テーブル16人前後。さっきまで、巻き道を一緒に意識しながらチンタラ歩いたカップルも一緒。余りに歩くの遅かったので、何時もあのスピードですかと聞いてみると、烏帽子から雲ノ平まで1日で来て<凄い>、そして、今日双六。普段は、あの3倍のスピードとか。やっぱし!納得です。歩いた距離だけじゃ無いですよね。山行きって!自分の気に入った所では、おもいっきし、ゆっくり、すべきですよね。でも、それを実行するには、いざという時の体力と周辺知識が必要なんですよね。
テーブルには、もう一組若いカップルが。僕らの飲んでいるワインを見て、痛風ですかと聞いてくる。このカップル、今朝、新穂高から登ってきたそうで、彼の痛風(尿酸値9.6)で話が盛り上がりました。
夕食 鷲羽岳が綺麗! 夕日に染まる鷲羽岳

夕食後、夕日に染まる鷲羽岳を眺めて、寝床に着きました。