2008/1/20 乗鞍高原

 上の写真は、塩尻北IC付近からの朝焼け。この朝、結構冷えていました。氷点下8度ぐらい。視界は、南アルプスまで見えて良い一日の始まりだったのです。
しかし、その日、滅多に体験できないトラブルに遭遇する予告は、朝飯に寄ったファミレスの駐車上で発生。

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8:09
その日の朝、バックモニターは不調だった。いくら待っても「システム初期化中」。
ギヤーチェンジのやり直しで消えたが、気温-8度じゃダメなの?

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9:12
前から気になっているんです。
夏でも解けない雪だるま。
素材は石のよう。



例年、乗鞍高原の一之瀬園地への林道は、喫茶店・キャビンの先で雪のバリケードが道を塞いでいる。

しかし、今年は違っていた。
どうぞ!いらっしゃい。と言わんばかりに雪道が続いていたのだ。

ラッキー!楽して、雪原と化した一之瀬が見られる。
氷点下の中、数キロ歩くことなく一之瀬に行けるみたい。
空は、曇って灰色なので、綺麗な写真は望めないが贅沢言えません。
そんな訳で、車をそのまま進めて一之瀬園地の駐車場を目指したのです。

駐車場に近づくにつれて、道路が高架状態に。なんかヤバイ。道路の雪も柔らかそう。
積雪が深いみたい。でも、ここでユータウンしようと止めるるとスタッグ確実。
轍に沿って進むしかなかった。

駐車場に進入。そこは、眩しい日向。踏み外してはいけない轍が見えない。
地面すべてが、真白。轍は何処だぁー!

ヤバァー!
やってしまいました。ハマっちゃいました。動きません。
周囲の景色から推測すると、積雪1m。
絶望です。
自力脱出にてこずると完全にダメになる。今日中に帰らなくては。
すぐ、救援依頼する事に。幸い携帯電話は通じる。

10:30 トヨタへ電話→JAF転送→再度、JAFのどこかへ転送(10:45)
 「3時間待ってください。」唖然。でも、待つしかない。

3時間は長い!外は氷点下5度。
前の車から降ろしたCDを、この車のHDへダビングしながら、まだ良く読んでいなかった分厚い2冊と付属品のマニュアルを読んで救援を待つ事に。

でも、自力で出られるかも?なんて気持ちも湧いてきて多少トライしたが想像した通りダメ。後輪が沈むだけ。

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11:25
マフラーは、まだ埋もれていない事を確認し、
のんびり救出を待つ事に。

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11:54
1時間経過。マニュアルもCDコピーも終わっちゃた。
暇だぁー。
4輪駆動車だったら、こんな事なかったろうに!
(この車に決める前、半年の間、4駆にしようかFRにしようか悩んだ結果、このFRに決めたんです。)


そんな思いは、すぐに吹き飛ばしてくれる車が現れたのです。それは、下の写真です。

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12:30
隣に、ボルボ。でも、彼もスタッグ。4輪駆動でも?!
彼ら、自力脱出を一生懸命、諦めずに試みているので、様子見つでに手伝ってきました。
AWDってプレートが貼ってありました。

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12:55
スタッグした2台の車。
彼らは諦めませんでした。まだ、自力脱出試行中。

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13:00 救援トラック到着。
ボルボの彼らも、作業をやめて、驚きか羨望かの目でこっちを見てる。

やって来てくれた作業員様は1人。手際よく作業段取りを決め、スタッグした車の前方へトラックを移動させた。
ウインチで引いて載せるとの事なので、
さっき読んだばかりのマニュアルに従って、牽引フックをトランクから取り出し、自分で取り付ける。

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13:01 
フックを取り付けていていたので、トラックの移動は見ていなかったのだが
前方へ移動しようとしたトラックもかなり難儀(スタッグ寸前)したようだ。

作業員様は即断、チェーンを後輪にまき始めた。

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13:06
ダブルタイヤにチェーン装着中

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13:17
 ギヤをNにして、ハンドル操作だけ、車はゆっくりとウインチで引き寄せられて動いたのです。

一寸、曲がっていますが、収まりました。救援トラックの荷台に。
結構眺めよかったです。でも、降りてトラックの助手席へ。荷台から降りるの怖かったぁー

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13:18
後輪が埋まっていた所の雪。結構、タイヤのゴムで黒くなっていた。


さぁー、出発。
出発は、結構ヤバかった。
空転するタイヤを上手くコントロールし、広い駐車場の硬めの雪の場所を選んでスタートです。
駐車場から出ると、順調にゆっくりと進んだ。
しかし、あと少しで積雪が劇的に少なくなる所で対向車。
(この車、少し戻れば広い場所あるのに突っ込んでくるんです)
道幅は、1台分。
(何考えている奴なんだ!!)お互い止まっちゃうよ!
これを避けようと、トラックは少しだけ左に寄った。

ヤバァ! ヤバァ! ヤバァー!
そう、スタッグです。トラックは、進まなくなりました。
(奴は、真ん中を突き進んでいった)

何度も何度も、ギヤーを入れ替えて、車を前後に揺さ振るが駄目みたい。

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13:31
遂に諦め?
彼は、大丈夫と言って運転席のドアーを開けて外へ。
頼もしい限りです。
外に出た彼は、運転席の下からウインチのワイヤーを引き出し始めた。
ワイヤーを伸ばしきった彼は車に戻り、助手席の足元にあった布製の帯紐を持ち出した。
牽引バンドだ。僕も運転台から降りて外へ。

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13:32
前方左側の太めな木に繋いで、ウインチ始動。

 前輪タイヤが横にズレた。タイヤの幅約1本分。
彼は、運転席に乗り込み脱出を試みる。
残念、失敗です。出てきません。

再び、彼は降りてきて今度はワイヤーを右側の木に括り付けようとする。
しかし、射程距離(ワイヤーの長さ範囲)には、強固な木が無い。

この事態を作った元凶車が、バックで戻ってきて並んで止めた。
止めちゃ駄目だよ。動かなくなるから!
降りて来て一生懸命何か話すが、誰も相手せず。
「ここに止めていたら危ないから、もっとバックしてよ!」
再びバックを試みるが動かず!
ハイカー2人と僕も手伝って、オッペッシてあげた。脱出成功。
(世話の掛かる奴だぁー!)

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13:35 ウインチのワイヤーとリモコンのコード

今度は、右の方にワイヤーを繋ごうとする。少し遠くに小ぶりの木がある。
そこへ繋ごうとするが長さが足りない。
そこで、車と一緒に買ったNew牽引ロープを供出。
彼、「これ伸びる奴ですね」と一言。(何の意味か不明)

トラックと右奥の木はワーヤーと牽引ロープと牽引ベルトで繋がった。
さぁー、みんなが見守る中、二度目のウインチ始動です。
たるんでいたワイヤー達がピィーンと一直線になり、結び付けられた小木がタワミ始めた。
その時です。

バシシッ。と音がして、ピンと張ったワーヤー達が再び雪の上に落た。
何かが、猛スピードでトラックの方へ飛んでいった。
何が起きたか不明。分かっている事は、失敗という事。

その場に居合わせた皆(ギャラー3名+2名+2名)は、木が折れたと思った。
しかし、木は立っている。
結果は、牽引ベルトが切れ、New牽引ロープがぶっ飛んで行ったんだった。

牽引ロープの両端には金属製の繋ぎ金具が付いている。
何にも衝突しないで雪原に着地したのはラッキー!しかない。(人に当たっていたらと思うとゾーとする)


作業者様は、再び繋ぎ始めた。
同じ木に。
そして、スコップでタイヤの周りの雪を、さっきより大掛かりに掘り出し始めた。
ハイカーのおじさんも自前のスコップで手伝ってくれているが、僕はスコップ持っていないので、見てるだけ。
(心苦しいのです)
今度は、ウインチのワーヤードリモコンを持って運転席に乗り込んだ。

三度目の試技開始です。
エンジンの回転を上げ、ウンチをまわし、ハンドル操作。
凄い!がんばれー!<否、頑張って下さい。お願いします>
(無言で心の中で叫びました)

結び付けられた木が大きくタワミ、エンジン音がひときわ大きく轟いた時、
トラックは抜け出し、道の真ん中の固め雪の上で止まった。
成功したのです。

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14:06
無事、無傷で救出して頂きました。
積載されて移動した距離3km。

それと、あのボルボ救出されたのかなぁー?
ちょっと気になりますが、確認の方法ないんです。
あの道、トラックがスタッグして脱出の時に、道の雪が付近一帯グズグズ状態で再度通過は無理みないな状態だったのです。


トヨタ、JAFのコールセンタ、そしてJAFの支部と多くの方々に本当にお世話になりました。
皆さん、ありがとうございました。
特に、作業員様には感謝の気持ちでいっぱいです。
(本当に、言葉丁寧な腰の低い好青年でした。アホな親父の無謀運転の後始末の為に片道1時間半かけてよく来てくれました。ありがとう)



いま、いくら探しても雪の一之瀬園地の写真はこれ以上ないのです。
雪の乗鞍高原の写真を期待して、ここまで見てくれた方、御免なさい。


腹減ったぁー。グリンデルまで頑張って昼食だぁー!

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15:09
遅くなった昼食後、グリンデルのカプチーノ