四日目 8月14日(日)
起床3時50分、外は満天の星空。オリオン座が樅沢岳から登ったところだった。出発は、また、後の方の出発となった。今日は、余裕の一日。鏡まで行けば良い。荷物を小屋に預け、樅沢岳ピストンと決めた。一族軍団は既に西鎌尾根に向けて出発したそうだ。登り始めると、眼下のテント場付近から白スーツ姿の人が現れゆっくりと登ってくる。抜かれるときに観察したが、靴は白のエナメル靴でなくズック、しかし、白のスラックスには泥一ど付いておらず不思議。途中、御家族軍団が降りてきた。タフだ!我々はこれから登るので、此処でお別れと思い挨拶する。
樅沢からの眺めは素晴らしい!既に源流のカップルと4X5を構えてチャンスを狙うおじさんの3人がいた。源流のカップルと馬鹿を言いながら写真を撮る。今回は南方に雲があり焼岳より遠くが見えないのが残念。でも、紺色の青空に、逆光で真っ黒な槍、穂高連邦が、流れる真っ白な雲に見え隠れするのはいつまで見ていても飽きない。
小屋に戻って荷物を受け取り、コーヒーブレイク。テン場で荷物片づけをする源流カップルに手を振り別れを惜しむ。しかし、直ぐに追いつかれ抜かれた。双六池越しに見える鷲羽が好きだが今年は雲の中。鷲羽の頂が一度も見られない年であった。弓折稜線までの登りに雪渓が!初めてである。稜線に出ても双六の尾根(サンダーバード2号)が鷲羽と同じく雲の中。残念。
弓折分岐の少し前で、先に行ってしまった筈の源流カップル出現。雷鳥出現を知らせてくれた。あいにく少し奥のガスった草地にいて写真がうまく撮れそうもない。源流カップルは、足下で砂あびを見たらしい。かなり興奮気味。「今度は鏡ダ。待ってるから」と言われたが、彼らとはこれが最後であった。
弓折分岐下で弁当消費。弓折、トラバース中にステッキをついた岩が真二つに割れ我を襲う。一つは道を少し転がった後、谷底へ。もう一つは、右足を直撃。両手で抱え転がり出すのをくい止める。膝の周りに擦り傷多数、打ち身の内出血あり。しかし、痛み無く歩けるので幸い。けがの処置のため大休止。落石時に周りに居た方々、ご協力有り難うございました。
そんな訳で、鏡平に着いた時には源流のカップルさんは出発された後。源流のカップルさんごめんなさい。また、どこかでお会いしましょう。
かなり早いが宿泊の手続きを済まる。飛騨の匠の山小屋、木の香りがしそうな2段ベッドの2階に寝床を確保。
夕食1回目で4時半。早すぎ!でも、腹減った。ラーメン1杯を二人で食べる。それまで小屋の前でぶらぶら。今朝からタバコが切れている。(双六で小池さんが天気が良いのでお出かけになってしまい、タバコを恵んでもらえなかったのダ)。
3時頃、どこかで見たような人が降りてきてリュックを下ろし、生ビール買いに走った。そう、あの陽気な軍団の一人だ!一人ダウンして、Wザックなのでマイペースで下りてきたそうな。本体も後ろから直ぐにやってきた。本体のメンバーも、到着後、同じように生ビール買いに走る。今日は、これからワサビ平まで下りるそうだ。明るい軍団のみなさん、太郎からご一緒できて大変楽しい山行きになりました。また、どこかでお会いできることを楽しみにしています。体調を崩された明るい軍団のメンバーの方、薬師沢からの登りは本当につらかったですね。
この日は、夕暮れ時もガスがはれず槍、穂高は明日にお預け。